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食と健康社

腎臓にやさしいおせち料理づくり

早いものでお節料理づくりの準備がすすんでいる。

今年はいつまでも残暑が厳しかったので、

よけいにもう?と思える。

 

腎臓に負担がかかりにくいやさしいお節料理を作り始めて

16年目となる。きっかけは、40年以上人工透析前の

慢性腎臓病の方々が透析にならないような研究と栄養指導を

されている臨床栄養専門管理栄養士の方に栄養制限の

一番厳しいCKD 慢性腎臓病の方でも安心して召し上がれる

お節料理を作ってみませんかとお声がけをいただいたことから

始まった。

 

初めて行った広島の景色も見る心の余裕も、技術もスペースも

なく、皆で話し合い涙ながらにお断りしたら、こういう形では

いかがですかとしゃがんで下さり、そのお気持ちが嬉しく、

ありがたく、全社一丸となり隙間が多かったが数か月で何とか

第一号を誕生させた。この先生のおかげ様で広島の百貨店にも

置いていただけた。

 

 

 

16年にわたる学びと研究で、一つ一つのお品書が充実していき、

今年はこんなお品書をご用意してみた。

撮影会社さまも1mmのかたむきすぎも許さず、もう少し右に

ふってとリーダーがご指示をだされる。

フードコーディネーター佐紀さんの盛りつけと熱意も見事である。

 

 



 

▼働く女性を応援される手軽にできるレシピ集

 



 

 


 

 

お品書

①銀だらの照焼

川崎南部市場内の三星食品様より、脂ののったノルウェー産の

銀だらを入れ、減塩・低リンのげんたしょうゆに漬けてスチーム

コンベクションで焼き上げた。

リンとカルシウムはシーソーの関係。血中のリンを抑えれば、

カルシウムが減っていくのをより抑えることができる。

腎臓病患者様は、添加物に多い無機リンとのたたかいである。

pH調整剤、乳化剤 etc...

 

②丹波黒豆

一番大粒のぶどう豆を選んでみた。メーカー様で腹われなく

艶やかに炊き上げてくださっている。

 

③酢ばす

縁起のいい見通しの良い穴にまで色をつけて華やかさを

出している。

 

④広島産有頭車海老姿煮

広島の瀬戸内海に浮かぶ大崎上島で丁寧に養殖された車海老。

この環境下で育成されている。

腎臓に負担がかかる食品添加物の黒変防止剤は使用していない。

医療では、見ためよりもお身体を優先させなければいけない時がある。



▼併設レストラン

 

▼アジアを中心に海外にプレゼンするファームスズキ 鈴木社長さま

 

 

⑤裏白どんこ

小田原に、透析回避のための食事療法を広めておられる

NPO法人がある。このたんぱく質の含まれないでんぷん

ホットケーキミックスを入れてふっくらと仕上げている。

一つ一つ手作業で椎茸につめて成型している。

 

魚のすり身はたんぱく質が多く含むため、アイスクリーム

ディッシャーで計量する。三大栄養素の中でたんぱく質だけが

消化後に窒素化合物が身体にのこり、CKD患者様は排泄が

難しいため口から入るたんぱく質を適量に抑える必要がある。

 

とはいえ手足の筋肉や、内臓も筋肉で出来ているので、

筋肉低下を落とさないため適量にすることが大切。

血液検査値改善、減薬できる治療食は科学・算術がベースである。



 

⑥チャーシュー

脂がほど良くのってたんぱく質を抑えられる肩ロースを選んだ。

今年創業100周年を迎えた横浜の老舗お肉屋さんの若山商店様に

レシピをお送りして、管理栄養士の社長奥さまにやわらかく

仕上げていただいている。

日頃よりご夫婦できめ細かい相談にのっていただいている。

 

⑦でんぷん焼餅

たんぱく質を含まないでんぷんお餅。お米の香りものびもしないので、

健康な方には美味しいとは言えない。

CKDとなったりご家族がそのようになれば、とらえ方が変わる。

低たんぱく食事療法に熟練したCKDの方たちにとっては、

身体に毒素がたまらなくて、大切なエネルギー源となるという認識である。

高エネルギーは人工透析を遅らせたり、一生涯回避するための

大切な要素である。

げんたしょうゆを塗っては焼いての手作業を繰返している。

 

⑧栗きんとん

上練り菓子のような上品な味わいの豆をつぶした豆金団を計量して、

手作業で栗の甘露煮をのせている。

栗金団を扱っておられる川越の共栄食品様では、ご夫婦で

料亭づかいの食材を全国に手配されている。


お煮しめ

⑨鶏もも肉

ふっくらとやわらかく仕上がるもも肉を選び、げんたしょうゆで

味つけしている。

 

⑩竹の子穂先

やわらかくて見ためにもおめでたい穂先を選んでみた。

食物繊維は整腸作用があり、規則正しいお通じはお身体が

軽くなっていく。整腸されると、少しずつ美肌になっていく。

 

⑪梅にんじん

花芯はマッシュポテトで、メーカーさまに可愛らしい花びらに

型どっていただいている。鮮やかな赤が出るように、

調味料に工夫している。

 

▼お身体に負担がかかる細菌が死滅する温度になっているか、

 各火入れ料理は中心温度をはかり記録に残す。

 美味しさの前に衛生、親会社より衛生面の指導も細かく受けている。

 

 

 

⑫結び昆布

ほど良い歯ごたえが残るように、スチームコンベクション調理の

時間を工夫している。

 

⑬さやえんどう

貴重な青みとしゃきしゃきの歯ごたえが残るように、

茹で方を工夫している。

美味しさは、彩り、味わい、香り、食感がそろって出せると考える。

 

⑭きぬかつぎ仕立て

皮のついた子芋をつまんでいただくきぬかつぎの楽しさを、

六角里芋で表現してみた。

お味噌とけしの実は手作業でトッピング。


 

⑮紅白なます

サーモンはたんぱく質なので、計量しながらみかん入りなますに

巻いて、冬のお花 椿に見立てている。

 

⑯伊達巻

ほど良い甘さと、解凍してもふっくらいただける日本食研さまを

選んでみた。研究開発、食材選び、調理、配送まで独自にこだわった

お料理を取りそろえておられる。

 

▼学生時代の「焼肉やいても家焼くな」はいつまでも残る

   名キャッチフレーズ。

   タンスにゴンとかお見事ね。

 

▼ 愛媛の宮殿工場

 

 

⑰穴子の八幡巻

ほど良い歯ごたえを残したごぼうを、ふっくらとしてほど良い

塩分で炊き上げた穴子で巻いている。

 

この一つ一つをまだ若いが職人肌の調理部長がこだわり抜いて、

スタッフ達を手順どおり指示、適材適所に動かしていく調理師と

タッグを組んで仕上げていく。

 

 

調理師、調理スタッフ、調理補助、盛りつけパートさん、

顧客対応、梱包、全ての力が必要である。横浜鶴ヶ峰病院で学んだ

チーム医療と同じで、同じ立ち位置の横並びが必要である。

数人のホームランバッターはいらない。コツコツを嫌がり

成功率極低の逆転一発ホームランをねらうこともやってはいけない。

全員がヒットを打ち続けるレベルを保つことで、

お客様に響くお料理ができあがる。

 

健康な方、腎臓病以外で食事療法をしておられる方にも、

腎臓病予防食として召し上がっていただける。

成人の8名に1名がCKDである今、どのような食事療法なのかを

知ることは早めの予防につながる。

どうか、今のお身体を維持、重症化予防していただきたい🍀

 

手づくりするということは、それだけ時間のかかる作業である。

それでも、ご自宅の手料理で食事療法をされている方々は、

(よし、今日も計算、計量しながらお料理をつくった!)という充実感と

3年、5年、20年と続けた自信がe-GFR、クレアチニンといった

腎臓機能をあらわす数値が維持、寛解(少しでも改善すること)

していくことに繋がるとは、研究してる同志たちの共通認識・

実績である。

 

まずは数字にあらわれない心をこめる、思いやる、調和を保つ、

続けるができてこそ、初めてきれいで大きな数字へと変わり、

皆んなで素晴らしいことが達成されていく。

 

また、ご自分やご家族のお身体を大切にする営みの手料理は、

際限なく体調がととのっていく。健康とひと口に言っても、

病気一歩手前の未病から神がかった心身脳すべて健康がある。

生まれもった身体の機能を大切にする手料理には、お空の上からも

あたたかい援護射撃がある🏹✨

 

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